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かのこの小部屋

かのこの小部屋

本のハナシ 4

『みずたま』chaco著

>幼なじみへの淡くて切ない恋心を描いたChaco待望の最新作。

ケータイ小説です。
chacoの小説。この作家(?)さんは、結構何冊も出してますね。
どうかな~とか思っていた割には、一番他のに比べてしっかりした内容に感じたかな?でも、話自体はベタなんだけどね。なんちゅーか、幼馴染で、お互いに好意を抱いているんだけども素直になれず遠回りをしてしまうお話。結局、両思いなんだけどねー
基本的には、幼馴染な感じは大好きなので、そういう意味では、わりと私の中のツカミは良かったかも。ただ、こぅ・・・ドキドキとかそういう感情にはなれなかったなーそこまで望むなって?やっぱり、何というか話の内容というのではなくて、文章力?表現力?のようなものが少し足りないのかな・・・と思ってみたり。
でも、結構良かった感じデスネ。
                          (2008)


『銀の鍵』 角田光代


>一切の記憶をなくしたまま、見知らぬ町で、我にかえった「わたし」。ただ空は広く、濃いブルーで、薄い生地のリボンみたいに幾筋も雲がたなびいている―。アキ・カウリスマキ監督の最新作「過去のない男」にインスパイアされて生まれた、もうひとつの物語。


この本は、ちょとワケ分からない系で、読みながらどうしよう~と思ってしまったかも。
そしてあとがきを読んで納得

 この一冊は、アキ.カウリスマキ監督の「顔のない男」の感想文です
 映画を見てこのちいさな物語を書いたのですが、コラボレーションではもちろんないし、オマージュでもなく、こういうのってなんていうんだろう、と考えてみて、感想文というのが、一番近い気がします。

そうか!この「顔のない男」という映画を見ないと分からないんだな、コレは・・・と、妙に納得した感じでした。
何というか、全然どういう状況なのか、この人は結局ダレなのか。ちゃんと自分のことを思い出せるのか・・・???と疑問符だけがどんどん増えていったまま終わってしまった感じです。
うーん。映画を見て・・・もしくは映画を知っていたら・・・とちょっと残念に思いました。

あ、でもコレって感想文なんですね(苦笑)感想文って。。。

                          (2008)

『仏果を得ず』  三浦しをん

>“好き”が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。文楽に賭ける若手大夫の熱い青春。直木賞作家が愛をこめて語ります。

三浦さんの小説は、いつも何だか良い感じに魅き込まれていくなぁ。。。
今回は、文楽の話で、ちょと馴染みがないかなぁ~なんて思っていたけど、面白かった!!
どちらかというと、人形とかではなく、人間模様・・・て感じで。中々読ませる感じです。
文楽の世界なんて、あまり分からないけど、きっとあーいう世界って閉鎖的(な感じ)で主人公の健のように家柄がなく、研修所出身などだったら中々厳しいだろうな、とは想像できる。。。でも、この健という主人公が、結構あっけらかんとしていて、悩むんだけどもそこまで追い詰められてはいない感じ。すごく文楽が好きで、この仕事が天職(?)適職(?)という感じはするけど。。。
ぐるぐる巡った後の健の演じ(解釈)が果たして良いのかどうかは、私にはそれこそ想像もつかないんだけれども、何かこういう世界も素敵だなーと感じた作品でした!!

                          (2008)

『teddybear』べあ姫(著)

>本当に、あの日に戻ったように、ひとすじの流れ星が流れたんだ。あのときの2人の願いは、きっと同じだったよね?―ずっと、一緒にいられますように―月間PV12億の携帯サイト『魔法のiらんど』から生まれた『ケータイからあふれたLOVE STORY』待望の第2弾!女子高生がケータイで書き、多くの人が号泣したLOVE STORY。

はい。ケータイ小説です。

これは以前読んだ本の前作にあたる感じです。
一応、この作品が女の子視点、続編が男の子視点になっていました。
私は、始めに男の子視点だったので、最後ブラックアウトしたように終わった続きが、前作で語られている・・・という感じになってしまいましたが、むしろ続きが~ていう感じだったので順番はどちらからでも良いのかもしれませんね。というかむしろこの順番の方がちょっとトクした感じもあったり。。。
でも、文章が・・・ちょっと気になったかな?何というか主人公(晴奈)の名前が出てきすぎ!!何回「晴奈」「晴奈」って出てくるのかしら~と正直うんざりしたとこはあったかも。でも・・・まあこれはこれでいいんじゃない?という感じです。すごく面白くて人にオススメ~とかは出来ないと思うけど。。。
                          (2008)


『こころげそう 男女九人お江戸の恋物語』畠中恵(著)

>江戸・橋本町の下っ引き宇多が、恋しい思いを伝えられぬまま亡くしたはずの於ふじが帰ってきた
幽霊の身となって!!
神田川でこときれた於ふじと千之助。兄妹の死の真相を探るうちに、9人の幼なじみたちそれぞれの恋や将来への悩み、思いの糸が絡み合って、妙な騒ぎが次々と……。

江戸の妖怪ワールドを描いて大人気、著者の新作はほんのりせつない大江戸青春恋物語。


はい。めっちゃ苦労しました。。。いや、返却日がどうにも切羽詰っていて、時間がなくて・・・久しぶりにこれ以上はムリ!!と思うくらいに頑張って短時間で読み上げました!!
なので、あまり印象が・・・残ってない(オイ)

でも、何というか、こう・・・話に起伏があまりない感じのお話でした。
おさななじみ九人のお話なのですが、もう最初の時点で二人が死んでいる。(ビックリ!!)
でも、それが事故なのか違うのかがはっきりとは分からない。けれど、ついつい忙しさに紛れて深く追求することが出来なかった。
主人公は宇多。死んでしまったのは、千之助と於ふじの兄妹。その他の幼馴染は、
お絹・お染・おまつ・弥太・重松・お品

長治(岡っぴき)
由紀兵衛(千之助・於ふじの父)

主人公の宇多は、岡っぴきの長治に下で働く下っ引。
於ふじにほのかな恋心を抱いている。

お染と弥太はこっそり付き合っていたが、お染の親に反対をされている上に、見合い話も来ている。
おまつは、弥太のコトが好きで猛アタック中
重松はお松のコトが好き
お品は、千之助が好き
でも千之助は妹としてしか見れない。

なんだか、恋物語とはいっても、ぜんぜんそれらしくもなく、ずっともつれたままも恋模様・・・という感じ。
幼馴染という近すぎる距離が、憧れやほのかな恋心から先へ進ませるのをためらわせるのかな?とは思ったかも。

標題の「こころげそう」について
心化粧-口には言わないが、内心恋こがれること(東京堂出版 江戸語辞典より)
というちょっとした解説にすごく納得したかも。。。
でも、化粧なんだ?私はまた懸想みたいな感じで心に秘めた想い的な意味なのかと思いましたよ。
何か音的にね。

それから、中のタイトルについても、1つづつ簡単な説明がついていて、こういうさりげない感じは、畠中さんの本を読んでいて一番好きなところかもです。

そ・れ・に・し・て・も!!!
この本は、母の方が先に読み終えていたのですが、「××が、××でね~」とサラッとネタばれをしてくれたのが本気でイタイ!!
「ちょっっ、待って!!なになに?××が××なのぉぉぉぉぉ~」
衝撃が去った後に、何してくれるの~!!!と絶叫したのは言うまでもありません。。。
ちっくしょ。全くサイテーだよ!!

そいえば、読みながらもう少しで終わり・・・というあたりまできてもまだ人死にがでたり・・・と何だか後半の後半が駆け足な感じだったなーという印象はあったかも。

                          (2008)

『海馬が耳から駆けてゆく5』菅野彰(著)

>「40になったら、振り袖を着ましょうとも」という友人・月夜野亮のその一言を、著者は忘れはしなかった…。周囲も総ざらいに巻き込んで、阿鼻叫喚の宴の準備。果たしてどうなるか…。爆笑エッセイ、最終巻。


はい。久しぶりに図書館で「海馬~」を見つけたので手にとってみました。うーんこの巻読んだっけ??とか始めは思っていたのですが、全然読んでませんでした。多分コレの前までは読んでいるはず!!・・・と思いたい。
しかし、今回のもすごく面白かった~まま、前巻までの反省とかは、ぶっちゃけ前の内容を覚えていないので、サッパリなのですが・・・
でも月夜野亮さんの第四の幕開けネタは、マジで面白かったvvというか、本当に誕生日の祝いに80人が駆けつけてくるって・・・どんだけ人徳があるんだっ!!て驚きました。いるんだなぁ・・・そんな人が。。。とかぼんやり考える私は、ちょーう友達少ないです(苦笑)でも、少数精鋭な感じなんだもん!!別にうらやましくなんかないんだもん!!

最後の被害者から加害者に・・・と話も面白かったし。久しぶりにすぐに読めた本でしたvv
最近は、調子良く本が読めているのでとっても嬉しいのです。。。

                          (2008)

『ドアD』山田悠介(著)

>脱出する唯一の方法はたった一つ……それは、友を殺すこと。
「あと何人殺せば、この地獄から解放されるのか?」大学生の松浦優菜たち8人が目覚めたのは、施錠された鉄製のドアを備えた見知らぬ一室。ドアの真向かいの壁には、スイッチと黒い穴があるだけだ。自分たちは拉致されたのか?一体誰が、何の目的で? 壁にあるスイッチを押すとドアの鍵は開くが、外に出ようとスイッチから手を離すと、ドアは凄まじい勢いで閉ざされてしまう。ドアは、スイッチを押し続けている間だけ、開く仕組みになっているらしい。不安が広がる中、突然、黒い穴から水が噴出し、部屋は瞬く間に水で満たされ始めた。溺死を免れるためにドアを開けるには、誰か一人が部屋に残り、開錠のためのスイッチを押し続けなければならない。友情、裏切り、期待、絶望……。それぞれの思惑を胸に、剥き出しになる人間の本性。殺人ゲームの勝者は誰だ!? そして、ドアの向こう側で生き残った人間を待ち受けるものとは?

もーう!!山田悠介さんの本2作目(少なっっ!!)ですが、これはちょっと・・・
前に読んだのは「親指探し」こちらはまだ読ませる内容だったのに、今回のは、何というか、何の背景もなくイキナリ殺し合い?見たいな感じでもやもやもや。。。
ま、殺し合い・・・とはちょっと違うんですが。
8人の仲間と飲み会を終え、お互いに帰路に着いたはずなのに記憶がない。気がついたら殺風景な部屋に閉じ込められている。部屋を出るためには誰かを犠牲にしなければならない。一体誰がこんなことを。
でも、部屋を出なければ確実に死が待っている。
果たして、生き残れる希望はあるのか・・・というような内容。
うーん。ブログでかかれてた作品みたいだから、やっぱりこう探調すぎるのかなぁ??いやいやそれにしてもこの設定はなぁ・・・もう少し物語性があるほうが好きな私としてはイマイチと感じた作品でした。
別に山田悠介作品は嫌いじゃないんだけどなぁ・・・



                          (2008)

石田衣良『親指の恋人』

>大学三年生の江崎澄雄は、携帯メールの出会い系サイトでメールのやり取りをかさねたジュリアと恋に落ちる。しかし、二人の経済的な環境は、極端なまでに違っていた。ある日、ジュリアの父親が脳出血で倒れてしまう。


題名から、ちょっとロマンティックな話なのかなァ・・・なんて思ってたけど・・・・・・
でも表紙は、今注目の『夜は短し~』のイラストの中村佑介さんですね。今回もステキですvv
ちなみにこの題名の意味は、メルトモ・・・のような関係?かな?メルを親指で打つところからきてるみたい。何かカワイイよね。石田さんてなんかこういう発想がオシャレだよねーとか言って、私は、石田さんの本は始めて読むのですが。。。感覚的に、ね?
話は、ちょとロミ&ジュリ的な感じなのかとか思ったけど・・・あまり甘い関係ではなかったなぁ~最初のページで結末はすぐに分かるんだけど。
ちなみに主人公は、澄雄とジュリア。や、なんか名前がそんな感じだからさー
感想は・・・ジュリア、頑張ったなァ。。。

                          (2008)

サマータイム  佐藤多佳子

サマータイム
五月の道しるべ
九月の雨
ホワイト・ピアノ


うん。全体にとても読みやすくて、ステキな作品だった。
少しクダけた感が強かったのは、1人称だったからかな?
でも、紹介文のようなキラキラ感はすごくあった。
最初のサマータイムが、やっぱり印象的だったかな?

小学五年生のぼく・・・伊山進とその1つ年上の姉、佳奈。そして、プールで出会った2つ年上の浅尾広一。広一は、どこか大人びている。
それは、交通事故によって父親と左腕を失ったせいかもしれない。
広一の母はジャズ・ピアニスト。

広一の母を語る姿はとても印象的
「サマータイム。ジャズのスタンダード・ナンバーだよ。母さんがすごくうまい。これを弾く時の母さんはそりゃあ、もう最高かっこいい!」
「ほんとに十本の指で弾いているのかなって思うほど、音がいっぱい出てくるんだ、母さんのピアノ。なんか、こう、きらきらと降ってきて、下からもずんずんわいてきて、部屋が音でわあっとふくらむんだ。そりゃあ、いいんだ!」

かのこもサマータイムは知らない(聞いたら分かるのかもしれないけど・・・)けど、キラキラ感はすごく伝わってくる。
広一の母親が好きな気持ちも伝わってくる。
でも、母親に見え隠れする恋人の姿にひっそりと傷ついている広一の姿も・・・

>幸せな感じ。なのに、ちょっと悲しい。

そんなサマータイム。。。


そして、ボールいっぱいのブルーのミント・ゼリーとグリーンのリキュール・ゼリーを混ぜて固めた奇怪なミックス色のゼリー。

砂糖と塩を間違えたそれは、広一が言ったように
「海」そのものだったのかもしれない。

>青と緑の冷たい、しょっぱい、不思議な味の海だ。ぼくらは頭を寄せあい、時々誰かとスプーンをカチャっとぶつけたりしながら、それを食べた。
 スプーンの上のゼリーは、まるで透きとおった色ガラスのかけらのようなんだ! ひと口めは、南の海の波、きらきらしたブルー。ふた口めは、海草の色、謎めいたグリーン。み口めは、深い冷たい水底の色、青緑。
 いつかどこかで見た、一番美しい海の風景を、ぼくらは思い浮かべていた。はだにひりりと痛い日差し、熱いにおいの夏の風。佳奈も広一くんも、そんなイメージを追うかのように、ちょっとうっとりした遠いまなざしでボールのゼリーをすくっていた。



佳奈と進の姉弟関係。進と広一。佳奈と広一の関係。
そして、17歳の彼らへ。。。




                          (2008)
『妖怪変化 京極堂トリビュート』

>西尾維新が!あさのあつこが!京極夏彦の作品世界に挑戦!!各界を代表する超豪華執筆陣。これはもう、おもしろくないはずがない。

あさのあつこ 「鬼娘」
西尾維新 「そっくり」
原田眞人 「魍魎のハコ」変化抄
牧野修 「朦朧記録」
柳家喬太郎 「粗忽の死神」
フジワラヨウコウ 「或ル挿絵画家ノ所有スル魍魎ノ函」
松苗あけみ 「薔薇十字猫探偵社」
諸星大二郎 「百鬼夜行イン」
石黒亜矢子
小畑健

はい。まずは、インパクト的に。。。小畑さんのエノさんが・・・とにかく格好良い!!!
いやいやいやマジで。ちょっと若いかもしれないけどね。
何というか、こぅ・・・小説のイメージとは違うような感じなんだけど、小畑さん大好き人間にとっては、もぅ何でもいい!!赦しちゃう!!て感じす。
格好良いっすvvv

話は、京極の「魍魎のハコ」が映画化されたから、その関連書籍・・・って感じだったのかな?私は、知らずに読み始めて、アレ??て感じでした。。。(とまどい)

うーん。文章の印象っていうのがあって、私はいつもあさのあつこさんの文章を読むと同じような感情を持つかも。
何というか・・・あぁ好きなんだろうな・・・というような。
そんなにたくさんの著作は読んでいないのに、こぅ著者の熱情・・・みたいなものが伝わってくるようなのがあさのさんの文章です。
ただ、正直、その熱情がカラ回ってる時もあるような気がする・・・かも。
何というか、著者だけがアツイ!!みたいな?

西尾さんの作品は・・・ちょい分からない系だわ。。。
西尾さんて、こんな感じの話ばっかりじゃないでしょうねぇ。。。
もうちょっと楽しいとか、怖い!!とか何か感情が残るような話だったら良かったな~
何か、こんがらがったママ、終わっちゃったよ(私が!!)

原田さんのは・・・ごめんなさい。
映画を見に行けなかった私にはツライかったデス。
映画のシナリオ稿って、何でこうも味気ない...というか何というか。
まだちゃんと映画を見ていたら、もう少し分かったんだろうなぁ・・・というコトが1点。
原作と読み比べると、更に映画との違いが楽しめて良かったのかなぁ・・・というコトが1点。
どちらにしても、私の情熱不足でありました。。。

柳家さんの落語をベースにした話!!
私は、この中では一番この話が好きかも!!面白かった!!
粗忽者の死神が、間違えて違う人間に憑いてしまって、何とかオトシてくれ~!!と憑き物オトシをお願いする話。
何というかオチもちゃんとあって、一番楽しめたかもvv
ホントに粗忽な死神(笑)
でも、そんな人違いで死ぬのもイヤ!!だよねぇ~

                          (2008)


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